冬さん、さようなら
冬さん、さようなら
ドイツ民謡の「冬さん、さようなら」の階名付き楽譜です。教育出版の3年生の教科書ではリコーダー二重奏に編曲されたものが掲載されていますが、そちらは著作権があるので原曲の単旋律のみを掲載しています。これもリコーダーの教材曲として扱われる機会の多さから必然的に固定ドで指導される機会も多いとは思いますが、固定ド唱をさせてしまうと階名唱に適した感覚をもつ学習者にとってはかえって歌いにくくなり音楽的な理解を妨げるという逆効果を招きます。同教科書の「マジカルシラソ」では、「せんりつを『トゥ』や『ル』で歌って…」と、旋律の把握のための歌唱活動では固定ド唱でない単一シラブルでの歌唱を求めています。教育芸術社の教科書でも「あの雲のように」「メリーさんの羊」「きれいなソラシ」等で、同様の記述があります。そのため、運指の指導で便宜上固定ドを使用したとしても、それで歌わせることは避けるとともに、正しく階名で歌うとこうなるという例を示してあげていただきたいのです。階名唱法を知らなくても感覚的に階名が合う人にとってそれは貴重な拠り所になります。
また、中学校でアルトリコーダーを習えば、ソプラノリコーダーのGの運指がCになることを、大きな困難と考える子が多くいます。ト長調の楽曲を階名唱してリコーダー奏することは、この負担を軽減する手助けになります。
現場で指導して、固定ドで問題ないように見えても、階名唱を知れば「そっちの方がいい」と思う子がいる可能性は否定できません。そうした子がどこのクラスにもいるものと考えて授業をすることが、子供の可能性を閉ざさない指導になると思います。
音楽科の授業での階名唱の扱いについては「授業づくりのヒント」も参考にしてください。
いがいにむずい
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